「新製品のコンセプト」というように、ビジネスでは「コンセプト」という言葉がよく用いられます。
外来語として定着した感じのあるこの言葉ですが、具体的に何を意味するかがややわかりにくい面もあります。
そこで、ビジネスにおける「コンセプト」という言葉の意味や使い方、似たような意味の言葉などについて確認しておきましょう。
「コンセプト」という言葉の意味
英語の「concept」をカタカナにしたものですが、元の英語の意味には「考え」「発想」「構想」、また哲学用語で「概念」などがあります。
「概念」という言葉の意味を一口に説明することは難しいですが、物事を大まかに見た時の意味合いと考えてください。
わかりやすく言えば物事の基礎となる考え方であり、ビジネスではどのような考えに基づいて立案された企画なのかを説明する時などによく使われます。
「次の企画のコンセプトは○○です」という具合です。
「コンセプトを考える」という使われ方もありますが、「考え方を考える」と解釈するとわかりにくいので、基本的な方向性を定めるということを意味しているとするとよいでしょう。
「企画の目的」と言った時も近いニュアンスがありますが、目的とはゴールのことであり、コンセプトはそのゴールを達成するための基礎となる考え方という違いがあります。
ビジネスでよく見られる「コンセプト」の使い方
「今度の企画のコンセプトは○○です」や「コンセプトを考える」などのほかにも、ビジネスではこの言葉の独特な使い方があります。
たとえば「デザインコンセプト」という言葉が良い例です。
名詞の後にこの言葉を付けることによって、その物事の基本的な考えやバックボーンとなる思想を表すことができます。
この場合では「あるデザインのバックボーンとなる思想や基本的方向性」ということです。
また、「商品コンセプト」や「ブランドコンセプト」などの組み合わせもビジネスではよく目にします。
いずれも、ある商品やブランド全体に共通する基礎となる考えや思想を表す言葉です。
似た意味で用いられる言葉
ビジネスシーンでは、「観念」「理念」「概念」などの言葉も同義で使われることがあります。
「欧米的な経営概念」などが使用例です。
ただ、漢字が並んでしまうので日本語ではどうしても堅苦しい印象を与えてしまいます。
実際に使用する際は漢字をあまり多用せず、「基本となる考え方」などわかりやすい言葉に置き換えた方が好ましいでしょう。
また、「テーマ」と言う時も似たような意味になることがあります。
「新製品のテーマは『未来』です」などと言うとほぼ同じ意味で使われているように思えますが、テーマとコンセプトは厳密にはニュアンスを異にします。
前者(テーマ)は主題を意味し、企画ならその主となる内容ということであり、後者(コンセプト)はそれを包含するような全体を貫く考え方です。
混同しやすいですがカバーする範囲に違いがあるため、言い換えの言葉として使う時は注意してください。
まとめ
カタカナ英語は日常でも増えていますが、特にビジネスシーンでは目立ちます。
以前なら日本語で言っていたはずのこともカタカナで表されるようになってきたため、正確に意味を理解することがこれからのビジネスパーソンにとって必須です。
「コンセプト」という言葉も日本語によって一言で表すのが難しいため、目的やテーマと同じような感覚で捉えられることがあります。
しかし、それらよりカバーする範囲の広い全体を貫く基本的な考え方であるということを覚えておきましょう。
ただ、カタカナ英語ばかり連発するのも好ましくない印象を与えることがあるので、時には理念や概念など難しめの言葉も上手に使い分けて、状況に合わせて活用してください。