敬語・言葉

「遠慮なく」の敬語表現は?使用例・目上の人に使う時の注意点は?

白い犬(ご遠慮なく)
「遠慮」は日本人に特有の概念と言われています。それだけ他人に気を遣う文化が我が国に根付いているのでしょう。

ビジネスシーンでも「遠慮」という言葉を使った表現は頻出しますが、敬語表現など正しく使えているでしょうか。

そこで、ここでは「遠慮せず」や「遠慮しないで」などと言う時の敬語である「ご遠慮なく」についてと、言い換え表現として使える同じような意味の言葉を見ていきます。

「ご遠慮なく」の敬語表現は?

「遠慮なく」とは、文字通り「遠慮せずに」ということですが、「遠慮」という言葉にはそもそも「将来を思慮に入れ考え巡らす」という意味があります。

将来のことを思慮していろいろ考えを巡らせた結果、「自分の言動を慎む」という意味でも使われるようになりました。

「遠慮なくいただきます」などと用います。このように、そもそも「遠慮」という言葉は自分の言動に対して言う言葉です。

他人に対して「遠慮なく」と言う時は、「言動を慎んだり控えたりせずに好きなように振舞ってください」という意味になります。

目上の人や立場が上の人などに対して敬意を示す場合には、「ご」という接頭辞を付けて「ご遠慮なく」とするのが適切です。

ビジネスシーンではお客様や取引先などに対して、「ご遠慮なくお申し付けくださいませ」などと用います。

「ご遠慮なく」の使用例

「ご遠慮なくお申し付けくださいませ」以外にも、「ご遠慮なく」を使ったビジネス上の丁寧な表現はいくつもあります。

「ご不明な点などがございましたら、ご遠慮なくお問い合わせください」「ご用向きがございましたら、ご遠慮なくお申し出ください」なども良い例でしょう。

相手に何かを申し出る際に幅広く活用できます。ただし、「ご」を付けるのは相手の行動に対してのみです。

ビジネスで相手から何かを受け取る際に、「ご遠慮なくちょうだいいたします」などとうっかり言ってしまうことがありますが、この場合は受け取るのは自分なので「ご」という丁寧語は付けません。

その場合は、「遠慮なくちょうだいいたします」が正しい敬語表現です。

「ご遠慮なく」を目上の人に使う時の注意

「ご遠慮なくお申し付けください」や「ご遠慮なくおっしゃってください」などの例は、敬語の使い方として間違いではありません。

しかし、なかには「遠慮」という言葉自体、目上の人に使うのはいかがなものかという意見を持っている人もいます。

「ご遠慮ください」と言うと、相手に「遠慮しろ」という意味ですので、それを丁寧にしたところで失礼なのは確かです。

ただ、「ご遠慮なく」と遠慮する必要のないことを言っているわけですから、「遠慮」という言葉を用いたからといって失礼になるというのは考えすぎでしょう。

ただ、気にする人がいる以上、「何なりとお申し付けください」など「遠慮」という言葉を使わない方が無難であるという意見もあります。

「遠慮なく」と言い換え可能な類語

「遠慮せずにどうぞ」という意味のことを言いたい時には、「ご遠慮なく」以外の言葉を使っても同じ意味の文章を作ることは可能です。

たとえば、「気兼ね」という「遠慮」とよく似た意味の言葉を使って「お気兼ねなくお申し付けください」でも意味は変わりません。

また、「ご遠慮なく」や「お気兼ねなく」では堅苦しい感じを与える相手であれば、「お気軽に」という言葉も使えます。

「お気軽にお立ち寄りくださいね」という感じです。

まとめ

「ご遠慮なく」は、敬意を示すべき相手に対して何か申し出る時に使える便利な敬語表現です。

「遠慮」という言葉自体、目上の人に使うのが気になるという場合は、同じような意味を表す類語表現を使ってみてください。

いずれにせよ、さまざまな表現を覚えておくと便利ですから、相手や状況に合わせて使い分けられるようにしておくとよいでしょう。