ビジネスシーンでは「俯瞰(ふかん)」という言葉が一般的に使われます。
上司や先輩から「俯瞰的に見てみたら?」などとアドバイスをもらった時に、「“フカン”って何ですか?」とならないように、意味や使い方について説明していきます。
俯瞰的に見るとは?そもそもの意味は?
難しい漢字が2つ並んだ言葉ですが、それぞれの漢字の意味が分かると言葉の意味も理解しやすくなります。
「俯」は“うつむく”という意味です。一方、「瞰」は“見る”という意味があります。
つまり『高いところから下を眺める』という意味になります。
この言葉は現実の行動として、ビルの屋上から街を見下ろすような場面で使われることもあります。しかしビジネスシーンで使用する場合には、比喩的な表現として用いられることの方が多いでしょう。
その場合は、『広い視野で物事を見る』ということを意味します。
その他には、物事の全体像を把握するために客観的にとらえるという意味合いで使っている人も少なからず見られます。
自分の置かれている状況を高いところから見つめなおすところから転じて、客観視するという意味合いで使われます。
どのようなケースで使われる?
この言葉ですが、何か同僚や部下にアドバイスするときに使われることが多いです。
先ほども見たように、物事を客観的にとらえるという意味合いがあります。
仕事をしているとうまくいかなかったり、行き詰ったりすることもあるでしょう。
これは自分のことでいっぱいになって、目の前のことにしか気が言っていないためにおこることが多いです。
このようなときに仕事の内容を遠目に見て、全体像を把握して、自分のやるべきこと・課題をもう一度見つめなおすという意味でこの言葉が使われます。
そうすれば、自分が今いる場所がどこで、目指すところがどこにあるのか冷静に見つめなおせるでしょう。
過去から現在、そして未来をつなげて見つめてどうすればいいか考えたほうが良いという時にこの言葉がしばしば使われます。
具体的にどのような感じで使えばいいの?
では具体的にこの言葉をどのように使えばいいのでしょうか?いくつか文例を紹介しますので、これをベースに自分たちのシチュエーションに合わせて少し言葉を変えてみるといいでしょう。
例えば「今抱えているプロジェクトの問題点を俯瞰的にとらえ、どう解決するか考えよう」「今何をすべきか、自分の置かれている状況を俯瞰的にとらえなさい」といった感じです。
また自分のことで「ミスをしてその時は落ち込んだけれども、人生を俯瞰すればちっぽけなことだと思って立ち直ることができた」といった使い方もあるでしょう。
あと注意したいのは「俯瞰的に見る」という使い方です。
このような表現を使っている社会人は結構多いです。
しかしこの言葉の中ですでに「見る」という意味合いが含まれています。
そこにさらに見るを付け加えると二重表現となり好ましくありません。
「頭痛が痛い」とか「右に右折する」といった表現と同じになってしまいますので、うっかりミスには注意したいところです。
類語にはどのようなものがある?
同義語としてしばしば紹介されるのが「鳥瞰(ちょうかん)」です。
鳥瞰とは鳥の視点のことで、地上を見下ろすという意味があります。
そこから転じて、全体を大きく見渡すという意味合いで用いられることも多いです。
このため両者は同じような意味があり、物事を全体的に見るという比喩的な表現で使われるのも共通しています。
そのほかには「瞰視(かんし)」も見下ろすことという意味で類語といえます。
ただしこちらの言葉は比喩的な表現で使われることはないです。
物理的に見下ろすという意味で使われますし、あまり広く用いられていない表現です。
まとめ
俯瞰という言葉はビジネスシーンでもしばしば使われます。
上司が部下に対して、先輩が後輩に対してアドバイスするときに使われることが多いです。
客観的に自分を見つめなおして現状を冷静に把握することは、何もビジネスに限らず、人生の中でとても大切なことです。
言葉の意味を理解し、日々の会話の中で用いてみると頼りになる先輩・上司と思われるでしょう。