敬語・言葉

不要不急の使い方は?例文と類語や言い換えは?

わからない

2020年はコロナ禍によって、「不要不急の外出を控えて下さい」という表現で、この熟語を数多く耳にした一年でした。

不要不急という2つの言葉から構成されている不要不急という言葉について、使い方や例文を紹介するとともに、類語や言い換え方法についても説明します。

不要不急の使い方

不要不急の意味は、【不要=必要ではない】+【不急=急がない】、すなわち、急いでする必要がないことです。

不要不急という言葉自体、そもそもあまり使わないし、耳にすることも滅多にない。という方も少なくないのではないでしょうか。

一般的には、「なくてもいいなら」や「急ぎでないなら」といったような表現で済まされていることが多いからです。

ではいったい何故、不要不急という言葉をわざわざ使う必要があるのでしょうか?

ここでは、その理由として2つ挙げたいと思います。

一つ目の理由は、以下のようなケースを全てひっくるめて、一言で言い表すためです。

「なくてもいいもので、急ぎでもないなら」とい表現は冗長で分かりにくいですが、不要不急という熟語を使えばコンパクトにまとめることができます。

  1. 必要性は低い(不要)し、早くする必要もない(不要)
  2. 必要性は低い(不要)が、早くした方が良い(急)こと
  3. 必要性は高い(要)が、早くする必要はない(不急)こと

二つ目の理由は、その反対で、「あえて難しい言葉を使うことで意味を分かりにくくしている(婉曲にしている)」が挙げられます。

「なんでわざわざ分かりにくくするの?」とさらに疑問を抱いた人がいるかもしれませんので、もう少し補足すると、言葉の意味をちょっと分かりづらくすることで、相手を嫌な気持ちにさせないようにするためです。

「必要でないなら〜しないで下さい」や「急ぎでないなら〜しないで下さい」は直接的な表現すぎて、あまり良い気持ちがしない人もいます。命令されているように感じるからかもしれません。

「必要でない」や「急ぎでない」は言われた人からすれば、「そんなのは自分の尺度じゃないか!」と思うのも納得できます。

そこで、「不要不急でなければ〜しないで下さい」と表現することで、言葉をダイレクトに届かないように(難しい言葉を使って脳に一瞬言葉の意味を考えさせる間を与える)するのです。

不要不急の例文

不要不急を使った例文を以下にご紹介します。

  • 不要不急であればその用件は後回しにして下さい。
  • 明日には台風が接近するため、不要不急の外出は避けた方がいいでしょう。
  • 仕事中のスマートフォンの使用は不要不急であれば控えましょう。
  • 不要不急の国外への渡航は控えて下さい。
  • 台風のため、不要不急の旅行はおすすめしません。
  • 急な出費が続いたので不要不急な買い物はやめておこう。
  • 雪が降って路面が凍結しているため、不要不急な自転車の使用はお控え下さい。
  • ガソリンの価格が高騰しているため、不要不急な給油はやめておいたほうがいいでしょう。
  • 新しくパソコンを買った場合、不要不急であればきちんとセットアップしてから使いましょう。
  • 今、手持ちがないので不要不急であればあとでお返ししてもいいですか?
  • 新幹線が満席なので不要不急であればバスで行くことをおすすめします。

不要不急の類語と言い換え方法

似た意味をもつ言葉で表現すると、「急ぎでない」「なくても困らない」「あとでも問題ない」「今すぐに必要でない」となるでしょう。

ですが、「今すぐになくても困らないのであれば後からにして下さい」と言われるよりは「不要不急であれば後からにして下さい」の方がやはり、丁寧で嫌な印象を受けませんよね。

では、「不要」=「なくてもいい」ということなのでしょうか?答えはイエスです。

なぜなら「不要」の反対は「必要」だからです。

「なくても問題ない」のです。なくてもいいということは「不要と不用は同じ意味なのか?」ということになりますが、「不用」は「使わないこと」という意味になるようです。

さらに言えば、基本的には元々使っていたものがいらなくなった場合に使います。

「要らない」という意味も含まれていますが、「用いない」と言う意味の「要らない」なので、どちらにせよ、「使わない」という意味の言葉になります。

これらをまとめると「不要」はいらない、「不用」は使わないという意味の違いがあり、使うシーンも異なってきます。

まとめ

【不要不急】の意味と使い方から見えてくる、「不要」本来の言葉の意味などについてご紹介しました。

言葉の本来の意味を理解することで、正しい使い方が分かってきます。

分からなくなった時は、それぞれの単語に分けて言葉本来の意味を考えるといいでしょう。

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