敬語・言葉

時下の適切な使い方は?例文と類語や言い換えは?

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時下の意味

まず、読み方は「ジカ」です。

時下は「この頃」や「現在」という意味があります。

普段ならあまり使うこともないし、むしろ使ったことのない人もいるでしょう。

「時(トキ)」の「下(モト)」にと書きますが、その名の通り、過去から現在、現在から未来へととどまることなく流れて行く「時(トキ)」と、0の状態においてという意味を持つ「下(モト)」。

要約すると「時の下に」となるので、「今」や「この頃」という意味になることがなんとなく分かります。

では、どんな時に使うのか?正しい意味と使い方について、いくつか例をあげながら解説していきます。

オールシーズンOK!魔法の言葉「時下」の使い方と言い換え

主に、手紙や仕事の上で時候の挨拶として使うことがほとんどです。

話し言葉というよりは、書き言葉として用いられます。

そして「時下」は季節に関係なく使える時候の挨拶になるのでとても便利だと言えます。

どのように「時下」を用いるのかというと、次のような流れになります。

拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

という風に、文の書き出しの部分で用いられますが、ここで覚えておきたいポイントが2つあります。

1つは「時下」と「ますます」はセットで用いることと、もう1つは「時下」の前に「拝啓」や「謹啓」といった頭言葉を使うことです。

ここでセットで使われる「ますます」は「ますます〜なのでしょうね」と相手の調子を伺う意味合いになります。

「ますます」と同じ意味で「いよいよ」を使うこともあります。

ただ、「いよいよ」は上から下に物申す言葉なので使う場合は気をつけたほうが良さそうです。

そして「時下」は季節の挨拶の代わりになる言葉なので、その前には必ず「拝啓」などの挨拶語が来なければなりません。

また、「時下」は季節を問わずに使うことができるので便利ですが、より丁寧に表現したいのであれば「〜の候」を使います。

ただ、「今は12月だから寒冷の候になるな…」となかなかパッとは出てきません。

そんな時に使える魔法の言葉が「時下」なのです。

時下を使った例文

・拝啓 時下ますますご清祥のことと存じます。日頃より皆様のお力添えを感謝しております。
・謹啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素から格別のご協力を賜り厚く御礼申し上げます。
・拝啓 時下ますますご健勝のこととお喜び申し上げます。いつも温かいご声援をいただき、心より感謝申し上げます。
・拝啓 時下いよいよご繁栄お慶び申し上げます。平素より弊社製品をひとかたならぬご愛顧いただきありがとうございます。

このように、必ず「拝啓」や「謹啓」などの頭言葉の後につきますが、結び言葉が変わってくるのでこちらも気を付けましょう。

「拝啓」の場合は「敬具」ですし、「謹啓」の場合は「敬具」「敬白」「謹言」になります。

時下を使う上での注意点

「時下」はあくまで文の冒頭で用いられる言葉なので結びにもってくることはできません。

必ず「拝啓」や「謹啓」の後ろにつきます。

もし、結びで季節を表す挨拶をするのであれば「このような季節なので」という意味の「時節柄」や「季節柄」を使いましょう。

結びに「季節柄、ご自愛下さいませ」などともってきます。

時下の類語は?

「時下」は「今現在」という意味なので類語としては目下(モッカ)、日頃、近頃、当節、現在、今どき、昨今、今日などがあります。

全て似たような意味合いですが、シーンによって使う言葉が変わってきます。

まとめ

「時下」がいかに便利で魔法の言葉か伝わりましたか?思っていたよりは案外単純な使い方です。

今まで「あまり聞いたことないし、使わないなあ」と言っていたあなたも「機会があれば使ってみよう!」という気持ちになったはずです。

その時はこの記事を思い出して下さい。

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