敬語・言葉

「ご教示」と「ご教授」の違いとは?

教えているシーン

「ご教示」と「ご教授」の意味は?

ビジネス用語として利用される、この「ご教示ください」と「ご教授ください」という二つの言い方ですが、メール等の文末表記としてよくみられるものです。

いずれも「教えて下さい」というニュアンスのことばですが、どのように使い分けするものなのでしょうか。

あるいは全く同じことばなのでしょうか。

実は、この両者には明確な使い分けがあるのです。

そして、その使い分けを知らずに誤って使ってしまうと、相手方に対して大変な無礼なことになってしまいます。

そういうことがおきないように、ここでは「ご教示ください」と「ご教授ください」の正しい意味や使い方について説明します。

「ご教示」と「ご教授」の使い分けについて

相手方へのビジネスメールで文末に「ご教示下さい」という表現がみられます。

これは業務を進めるために、相手方と情報を共有していく必要がある場合などに使う表現です。

これを「ご教授ください」というように表記すると、これは明らかな誤用となります。

「ご教示」と「ご教授」ではことばのレベルが違うのです。

「ご教示ください」の方は「教えてください」「伝達して下さい」という意味となります。

つまり「ご教示」は、知識や方法を教え示すということで、ちょっとした知識や方法を教えてくれませんか、というニュアンスと考えて差し支えないでしょう。

でも「ご教授ください」の方はというと、これは「学問を伝え教えて下さい」という意味となってしまいます。

「特定の学問や専門的技術の体系について、系統的に教え授ける」というニュアンスとなり、とても重厚な内容のものとなってしまうのです。

英単語でこの両者の違いを端的に示すならば、「ご教示ください」はtell(言う)で、「ご教授下さい」はteach(教える)というように理解して下さい。

以上から分かるように、ビジネス用語で情報の共有を図りたいときには「ご教示ください」という言い方が最も適切といえるでしょう。

「ご教示」「ご教授」の使い方の文例

最初に、「ご教示」の方の一般的な使い方の例文としては次のようなものが考えられます。
●「ご教示のほど、何卒よろしくお願い致します」
●「つきましては打ち合わせの期日、場所等をご教示いただきたく存じます」
●「日程についてご都合の良い日時をご教示いただけますでしょうか」
●「提出の方法等についてご教示下さい。宜しくお願い申し上げます」

続いて、「ご教授」の方ですが、次のようなケースが考えられるでしょう。
●「ご教授いただけたら幸いに存じます」
●「ご教授いただき、誠にありがとうございます」
●「先日送付いたしました資料につきまして、お気づきになった点などをご教授賜りますようお願い申し上げます」
●「今後とも研鑽を積んでいく所存です。先生には引き続きご教授いただきますようお願い申し上げます」

「ご教示」「ご教授」の類語や言い換えは?

「ご教示」や「ご教授」の類語については、次のようなことばが該当します。
「ご指導願います」「ご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます」「ご指南賜りたく存じます」などのように「ご指導」「ご指南」もよく使われることばで、「ご教示」「ご教授」とほぼ同義のことばといえます。

ただし、「ご指導」はその目的に向かって教え導くという意味であり、「ご指南」は例えば剣道や柔道のような武術や芸事などを教えるということであり、多少のニュアンスの違いがあるでしょう。

まとめ

日本語には意味が似ていながら、ニュアンスや用法に違いがある、紛らわしいことばがいくつもあります。

そこで、それぞれのことばのもつニュアンスの違いをよく理解し、その正しい使い分けができるということが、ある面、能力ある人物であるという評価にもつながるということを忘れずに、ことばの使い方をしっかり勉強しておくことが重要ですね。