敬語・言葉

ビジネスメールで注意したい「追伸」について

ノートパソコン

手紙の末尾に、本文とは別に付け足す形で何かメッセージを加える時に用いるのが「追伸」です。

本文を書き終わった後に思い出したことがある時などに使えます。

しかし、一般的な手紙ではなく、ビジネスメールにおいて追伸を使うのは失礼だと捉えられることがあります。

そこで、ビジネスメールで使わない方がよい理由、使ってもよいケース、それに似た類語などについて見ていきましょう。

ビジネスメールで追伸を使わない方がよい理由

ビジネスメールは簡潔を旨とします。

メール1通に一つの内容を書くことが基本ですので、「追伸」として別の内容を盛り込むと簡潔さが失われてしまうことがあります。

特に、目上の人に出すメールでは好ましくない印象を与える可能性が高いです。

何か書き足したいことがある時は、付け足しのように書くのではなく、最初から本文に盛り込んだ方がよいでしょう。

本文と無関係のことなら、別のメールを改めて出した方が無難です。

手書きの手紙でなら、「追伸」として本文に書き切れなかったことを書き足すのはかまわないのですが、メールの場合、本文を書き終えた後で書き洩らしたことがあったことに気づいても、簡単に修正が可能です。

その手間を厭い、簡単に済まそうとしているなどという印象を与えてしまうようでは、ビジネスにおいてマイナスですので、なるべく最初から本文のみで完結させられるように書いていきましょう。

ビジネスメールで追伸を使ってもよいケース

ビジネスメールでは追伸を使わない方がよいと書きましたが、別に禁止行為というわけではありません。

場合によってはそれを使うことで相手に好感を与えることも可能です。

たとえば、最後に相手の体調などを気遣う文を加えたい時には、あえて「追伸」として添えることでこちらの気遣いが伝わりやすくなります。

食事の誘いなども相手との関係性次第では有効でしょう。

ただ、いずれにせよメールを受け取る相手の捉え方次第ですので、なるべく親しい間柄の相手に留めておく方がよいです。

あまり近しい関係にない相手には控えましょう。

追伸に書いてはいけない内容

手紙でもメールでも追伸として書くべきでない内容があります。たとえばお詫びや感謝の気持ちです。

本文の終わった後に、「追伸」として「この度は申し訳ございませんでした」などと書いても、お詫びの気持ちが伝わりません。

読んだ相手には、書き忘れていたのを最後に取って付けたかのような印象を与えてしまいます。

感謝についても同様です。感謝やお詫びの言葉は、相手に真心が伝わらなければ意味がないですから、それをメインテーマにするべきで、何かのついでに添えるようなことはやめましょう。

また、見舞状でも使用しない方がよいとされます。

追伸とは本文に重ねて加える内容ですが、病気やケガの人に「重ねる」というイメージを与えるのはよくありません。

病気やケガが重なる不吉な印象を与えないように、お詫びと感謝同様、お見舞いにも使用しないのが原則です。

追伸の類語

追伸と同じ意味の言葉に「追記」があります。

「追記」の方が硬いイメージになり、ビジネスメールではこちらの方が使用されるでしょう。

ただ、追伸をあまり使用するべきではないのと同じ理由で、何でも追記とするのではなくなるべく本文に盛り込めるように書くべきです。

また、「付記」という言葉もありますが、これは追伸や追記のような使い方はせず、本文とは別に付け足す必要があるものについて「資料を付記する」というように使います。

まとめ

ビジネスメールでは気軽に「追伸」を使うべきでない理由を見てきました。

ビジネスでは簡潔さが大切ですので、なるべく書きたいことは本文にまとめましょう。

業務上のメール以外にも使用すべきでないケースがあるので、「追伸」については注意が必要です。

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