気温が高い時に、暑く感じたり汗をかいたりするのは普通のことです。
しかし、それほど気温が高いわけではないのに異様に暑く感じたり、すごく汗をかいてしまったりすることはありませんか?
そんな時、「私は暑がりなんだ」とか「汗っかきなんだ」と思っていませんか?暑がりや汗かきの原因の一つとして「肥満」はよく知られていますが、実はそれ以外にも身体の変調による場合があります。
そこで今回は、暑がり、汗かきの対策と原因、そして改善するために知っておきたいことについて紹介します。
暑がり・汗かきの原因
暑がりや汗かきの原因の一つに肥満がありますと冒頭で書きました。しかし、明らかに肥満ではなくても暑がりだったり、汗かきの人って周りにいませんか?
ここからは、「暑がり」と「汗かき」についてそれぞれその原因を例示します。
暑がり
人が「暑い」と感じると、脳の視床下部が神経を通じて皮膚に汗を出すように命令を出します。この命令によって出た汗が蒸発することで体温が下がるようになっているのです。
異常なまでの暑がりということは、この身体のシステムがきちんと機能していない可能性があります。
身体のシステムがきちんと機能しない原因としては、主に以下のことが考えられます。
暑がりの原因その1:薬の服用
アレルギーや血圧、鼻づまりの薬には体温調節機能を低下させる場合があります。そのため、上手く汗かけず、体温が上がってしまい暑く感じやすくなるのです。
暑がりの原因その2:コーヒーなどカフェインの取りすぎ
カフェインは心拍や身体の代謝を上げる働きがあります。そのため、体温が上がりやすく暑く感じやすいのです。
暑がりの原因その3:甲状腺の異常
甲状腺ホルモンが増えすぎ、代謝が上がってしまいます。それにより、体温も高くなります。また、甲状腺ホルモンが必要以上に産生されると、体温調節機能自体も異常が生じやすいのです。
暑がりの原因その4:多発性硬化症
脳からの指示が出されなくなり、汗をかかず暑さだけを感じるようになる病気です。
暑がりの原因その5:更年期障害
のぼせやほてりを感じます。以前は閉経する前後の女性に多いと言われていましたが、最近は老若男女問わず更年期障害になり得ると言われています。
暑がりの原因その6:無汗症
漢字の通り、汗をなかなかかけない状態のことです。神経系が原因であったり、汗腺の異常であったりします。
汗かき
次に「汗かき」の原因について例示します。
汗かきの原因その1:温熱性発汗
夏の時期、運動時や食事の時にかく汗のことで、身体全体に発汗します。
汗かきの原因その2:精神性発汗
緊張したときにかく汗で、手のひらや足の裏、額や脇下など部分的に発汗します。
汗かきの原因その3:味覚性発汗
辛い物を食べた時にかく汗で、鼻や額などに発汗します。
その他の汗かきの原因
無意識に起こる汗もあります。発汗作用は交感神経によるものです。
この交感神経は、自律神経の一つで、もう一つに副交感神経というものあります。この自律神経のバランスが崩れることで、必要以上に汗が出る「多汗症」というものもあります。
暑がり・汗かきの対策、改善のために知っておきたいこと
暑がりや汗かきの原因はお分かり頂けましたか?
もちろん先程説明した以外の原因がある場合もありますが、一般的に考えられるものを列挙してみました。原因が分かれば改善策があるはずですよね?
まず、暑がりの原因であるカフェインの取りすぎです。暑がりの人はカフェイン摂取を控えてみると良いですよね。他の原因の場合、薬の服用はその期間が終わることで改善する場合が多いです。
また甲状腺の異常、多発性硬化症、更年期障害、無汗症に関しては、医療機関など専門家に相談することをおススメします。
肥満による暑がり、汗かきの場合は、「痩せる」ことをおススメするのですが、痩せたからといって暑がりや汗かきでなくなることはありません。しかし、多少は軽減されるはずです。
汗については先に説明したように、体温調節する上で発汗は大切な機能なので、汗をかかないようにするということは一般的には出来ません。
しかし、制汗剤や保冷剤入りの首巻タオルなどを上手に使うことで、暑さや汗を防ぐことはできます。大きな血管部分を冷やすと体温が下がるとも言いますよね?首を冷やすことは熱中症対策でも使われますので、効果が期待できます。
また、精神性発汗の場合、呼吸法によって改善することもあるようです。
有効な呼吸法
「最初は呼気8秒⇒吸気4秒⇒保息(息を止める)16秒。」
これが呼吸法です。これを、
・呼気10秒⇒吸気5秒⇒保息(息を止める)20秒
・呼気16秒⇒吸気8秒⇒保息(息を止める)32秒
と段階的に増やしていいます。これを日常の中に取り入れることで改善された人が多くいます。
多汗症の場合
汗の中でも無意識に起こる自律神経のバランスが乱れて発汗する多汗症については、上記の対策とは少し異なります。
多汗症の場合は、自分の意思と反して大量の汗をかくため、日常生活に支障をきたすことも多いのです。そしてこの汗は体温調節のための汗とは異なるため、発汗しなくても身体のシステムに影響は及ぼしません。
そのため、多汗症の場合は美容クリニックなど専門の機関で手術を受け、汗をかきにくくすることも可能なので受診してみるようにした方がいいかもしれません。
まとめ
気温が高い時は暑く感じたり汗をかいたりするのは当然なのですが、あまりにも暑がりだったり汗かきだったりすると、生活にも支障が出てきますよね。
その原因が病気の場合は尚更です。病気などの原因が分かっている場合は、専門家の意見に従って対処してください。
そして、明らかに肥満からの暑がりや汗かきの場合は、身体にとっても良いことはありませんから、生活習慣や食生活を改善することからはじめると良いですよね。
また、のぼりやほてりを感じる場合、自律神経が乱れているということもありますので、これも生活習慣の見直しからはじめると良いですよね。
暑がり、汗かきでも、基礎代謝が非常に高いということもあります。これは生理現象なのである程度は諦めも必要かもしれません。
暑がりや汗かきである場合、自分の原因は何であるかをしっかり見極めることで、それにあった対策をとりましょう。