ビジネスシーンで「戦略を策定する」「予算を策定する」といったような形で「策定」という言葉をよく耳にすることがあります。
ここでは、「策定」という言葉の意味や正しい使い方(文例)、類語を解説しています。
「策定」の意味は?
「策定」という言葉の意味は、明鏡国語辞典には「方針を立てて決めること」と記載されています。
ある物事を行うにあたって、基本的な考え方や目指す方向性を決めていく作業ということになるでしょう。
ビジネスの世界では商品開発や企画など、いろいろと作り上げる作業は欠かせないはずです。
このような、何かを創造するにあたって必要な計画や戦略を考えていく工程のことを意味する言葉だと思ってもらえばいいでしょう。
「策定」の正しい使い方は?
物事を進めるにあたっての計画を考えて決める作業ですから、そのような権限を持っている人が使うことになるでしょう。
例えば起業家が事業を作るにあたって、計画書を作ることは欠かせないプロセスです。
計画書の中には事業の柱や基盤となる内容が含まれます。
ですからこちらの言葉が使われるでしょう。
そのほかには学校の校長などの責任者が学校運営の規定を作るときにもこの言葉を使うのは妥当です。
近年では情報化によって、セキュリティが業種関係なく重要な課題です。
会社の中でセキュリティポリシーを作るにあたって、こちらの言葉を用いることも少なくありません。
このように会社などにとって重要な計画やルールを作るにあたって用いられることが多いです。
「策定」の具体的な例文は?
では具体的にどのようなシチュエーションでこちらの言葉を使用するのか、いくつか具体例を見ていきます。
例えば事業を行うにあたって、予算を決める必要があります。
その場合「予算を策定する計画を立てた」などの表現が用いられるでしょう。
また「ビジョンを策定する」という言葉も近年しばしば使われます。
ビジョンとは、理想や未来像、見通しを意味しますから一緒に用いても違和感はないでしょう。
「策定のための方針」もよく使われる言葉です。
物事の手順や方法を考えるにあたっての方針といった意味合いです。
そのほかには「中」という言葉を使って、現在進行の状況を伝えることもあります。
例えば「手順書を現在策定中である」とか「今後の計画については策定中ですからもう少しお待ちください」といった表現法も使えます。
「策定」の類義語は?
策定の言葉の類義語として、「作成」や「制定」といった言葉があります。
作成の場合、現段階で決められたことを作るという意味合いがあります。
一方、策定の場合は、作るものをこれから決めていきますから、時間軸で考えると若干立ち位置が異なります。
ちなみに作成は、「制作」「作製」といった言葉が類義語になります。
では制定とはどのような違いがあるでしょうか?両者には定めるものの対象に違いが見られます。
制定の場合、法律や規則を定める作業のことを指します。
しかし今回の策定については、政策や計画方針を定める作業です。
このように作り上げる対象が異なりますから、混同しないように注意したいところです。
決定も類義語として紹介します。策定同様、何かを決めるという意味があります。
しかしどこまで決めるか、そのレベルが異なります。
決定の場合、何かをはっきり決めることです。
一方で策定の場合は、基本的な考え方や今後の方向性を決めることになりますから、まだ細かな具体的なことは決まっていない段階であり、この部分が異なります。
まとめ
会社組織の中に入っていると、いろいろと決めないといけないことが出てきます。
特に責任ある立場になると、このような判断が非常に重要になります。
そこで策定をはじめとして、決め事に関する言葉もビジネスシーンではいろいろと出てきます。
上で紹介したように似たような意味でも使い方が若干異なります。
意味を理解して場面に応じて使い分けると、基礎のしっかりした社員と評価されるでしょう。