敬語・言葉

自分の会社の呼び方 当社と弊社の使い方

3人の執務者

自分の会社の呼び方に当社弊社があることを知っている人は多いと思いますが、当社と弊社の違いや使い分けの仕方について正確に説明できる人は案外少ないかもしれません。

この記事では、自分の会社の呼び方である当社と弊社の正確な使い方について解説していきます。

自分の会社の呼び方 当社と弊社の意味は?

自分の会社の呼び方で、「当社では…」「弊社では…」といったいい方をよく耳にしますが、この違いはどこにあるのでしょうか?

最初に弊社の意味ですが、弊社は謙譲語(謙称)に分類されます。(▶︎謙称についてはコチラをご覧ください)。

つまり自分の会社をへりくだって表現することで、相手の会社を立てるというニュアンスがあります。

したがって、弊社という言葉は社外の人に対して使うものです。

弊社は話しことばでも書き言葉でも、どちらでも使用することができます。

取引先との商談の場や取引先との文書やメールのやりとりの中では弊社を使って下さい。

一方、当社といういい方ですが、これは主に社内で使うことばとなります。

弊社は謙譲語で、相手に対して自分の会社をへりくだっていうのに対して、当社は丁寧語であり、自社内で使うのが慣例です。

逆に取引先の担当者などに「当社は…」などと言ってしまうと僭越で、傲慢な印象を与えることになりますので注意してください。

自分の会社の呼び方の使い分け 当社と弊社の使い方

前述したように、当社も弊社も自分の会社を指し示す呼び方です。

そこで、使い方の違いを端的に以下のように考えることが一番分かりやすいと思われます。

当社は身内の人間に対して使い、弊社は社外の人間に対して使う、この原則を頭に入れておくと、恥ずかしい思いをしなくて済むでしょう。

ただし、弊社は相手に対して自分の会社をへりくだっていう言葉ですが、取引先との商談等で、常にへりくだらなければならないということではありません。

自分の会社の主張を通すためには、弊社ではなく「当社は…」といった表現をすることも場合によっては必要な時もあるでしょう。

特に取引先への強気な提案や交渉の局面においては、「弊社は…」といった表現が弱気に見えることもあります。

TPOを常に意識して使い分ける方がいいでしょう。

当社と弊社の使い分け文例

ここでは、当社を使う場合と弊社を使う場合の文例をそれぞれ示しますので参考にして下さい。

「弊社」を使った文例

  • 「弊社のサービスをご利用いただき誠にありがたく存じます」
  • 「この度は、弊社の連絡ミスにより多大なご迷惑をおかけしたことに対し深くお詫び申し上げます」
  • 「この件につきましては、持ち帰らせていただき、弊社で再度検討させていただきたく存じます」
  • 「弊社社員一同、全力で信頼回復に努めさせていただきます」
  • 「弊社としましては、プランのBをおすすめしたいと考えております」
  • 「弊社スタッフに、なんなりとお申し付けいただきますよう、お願い申し上げます」

「当社」を使った文例

  • 「当社は、危機管理につきまして高い評価をいただいております」
  • 「当社は、業界第1位というシェアを占めております」
  • 「当社といたしましても新規事業の立ち上げに着手したいと考えております」
  • 「当社独自のネットワークを駆使して推進してまいります」

当社 弊社の類語

当社・弊社が自分の会社の呼び方であるのに対して、相手の会社の呼び方として貴社(きしゃ)と御社(おんしゃ)という言葉があります。

これらは、尊称(そんしょう)といいます(▶︎尊称についてはコチラをご覧ください)。

これらの言葉にも使い分けがあるのでしょうか?

実は明確な使い分けがあります。従って、この機会に一緒に理解しておくことが望ましいと思います。

まず御社ですが、これは話し言葉(口語)です。つまり会話で使うことが原則です。

直接相手方と会って協議したり、電話で話したりする場合には御社を使うのが常識です。

一方で、貴社は書き言葉(文語)です。取引先に送る文書やメールなどでは貴社を使いましょう。

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まとめ

ビジネスの世界では、敬語を始めとした言葉の常識的な用法がいくつもあります。

これらを軽んじることなく、正しく使えることができるように日頃から研鑽を積んでおくことが大切です。

言葉の誤用は、自分の知的な面に対する評価を下げることとなり、ひいては自社のイメージダウンになりかねません。ビジネス用語の常識的な活用法を学んでいきましょう。

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